【週刊】今週のマーケティングニュース 約10選【18年9月第3週目(9/10~)】 (ビジネスニュース・まとめ・おすすめ)
18年9月第3週目(9/10~9/16週)のマーケティング系ニュース
専門はマーケティング系だが、ビジネスモデル・経営判断・テクノロジー・データドリブンなども。
それらの分野で「これは今後重要になってきそうだな」というニュースを毎週10選以内に絞り、背景と感想を整理しておく。
今週は7点。重要だなと思う順に、記事引用→感想で構成。
- 18年9月第3週目(9/10~9/16週)のマーケティング系ニュース
- 1、ジャック・マー突然の引退発表
- 2、EUの「リンク税」導入案、来年1月に成立か
- 3、マーケティング支援にパーソナルデータを仲介:電通テックが情報銀行を設立
- 4、Amazonが AbemaTVのようなライブストリーミング事業を準備中?
- 5、ローソン銀行発足「新しい決済」を目指しキャッシュレス化に注力
- 6、調剤薬局にヤマト運輸やアマゾンが参入する日
- 7、中国・配車アプリ運用タクシー、性暴力の温床に
1、ジャック・マー突然の引退発表
・馬雲は会長職を引退して、教育慈善事業に専念する。
・その理由として中国のビジネス環境が悪化し国有企業が企業運営に対してますます干渉。
・習近平政権下で中国のインターネットは発展したが、同時に政府のコントロールもますます厳密に。
関連参考1>
関連参考2>
→アリババにはまだポテンシャルがあり、右肩上がりの最中での引退。
→Facebook、Google、Amazon、Softbankと、有名創業者はまだまだ引退しておらず、きっと刺激的で辞められない気持ちも想像つくし、実際辞めなくても在職のままやれることはたくさんある中、それでも自分なりの事業継承の課題に向き合った結果なのだろう。
→死ぬまで継がないのも主流だが、80歳越えたりすると流石に老害で、老人すぎると時代の流れが体感できないよねと感じちゃうので継承はほどほどがいいんだろうが、まだ52歳だと聞くともったいない感じはする。
2、EUの「リンク税」導入案、来年1月に成立か
・今回の指令案でインターネットの自由を求める人々が危険視するのは、11条と13条だ。
・11条はリンクを貼り外部サイトの内容表示する場合、権利元へライセンス料の支払いを求める規定で「リンク税」と呼ばれる。
・13条はユーザー投稿サイトは全ての投稿で著作権侵害のチェックを義務づける。
→GDPRから続く、EUによるFacebook・Googleの抑止策の流れ。
→直接ではなくても、経済圏内のビジネスが縮小することに間接的に巻き込まれて、そのダメージをどう最小限に済ますかを検討するためには、これらの最新状況を理解しておく必要がでちゃう。日本国内においては普通に考えると関係ないんだけど。
3、マーケティング支援にパーソナルデータを仲介:電通テックが情報銀行を設立
・生活者が預託した個人情報を資産として運用し、使用したデータに基づき対価インセンティブを生活者に還元するという、いわゆる情報銀行。
・独自調査では利用意向は25%程度。これまでにないサービス。
→将来的にどう化けるかわからん分野だから、まだすぐ明日からビジネスがはじまるタイミングではないけれど、会社を興しておいたりフィジビリティスタディを打っておいたりしておくのは良さそう。2020年以降くらいの布石。
4、Amazonが AbemaTVのようなライブストリーミング事業を準備中?
・各国のオリジナルコンテンツに力が入るビデオ市場と、もうひとつの可能性、ライブストリーミングに仕掛けるのではという考察。
・ゲーム実況中継「Twitich」を14年に約10億ドルで買収。
→ 最近Amazonの動画サイトを自宅のテレビで見てると、「primeビデオ」のというのか「Fire TV Stick」のというべきか、“あそこのプラットフォームの上”に、他社のコンテンツも並び始めていて、エントランスとしての、ポータルサイト的なポジションを築きつつある。
→その延長線上で、あそこの集客力でさらにどうマネタイズするのかを工夫するのは妥当だと思う。民放テレビが本格的にスイッチされてゆくとしたら、やはりAmazonなのかも。
5、ローソン銀行発足「新しい決済」を目指しキャッシュレス化に注力
・ローソン銀行が10日に発足され、一般向けサービスは10月15日に開始される。
・社長は「新しい決済の仕組みを提供したい」とし、キャッシュレス化にも注力。
・その際には、小売店の決済手数料などの負担低減にもチャレンジするという。
→いまさら感のコンビニ銀行だけど、ただのATM利用収益という意味ではなく、役割の多様性があるのはあるので、「うだうだ考えて保持しないままよりは一回つくっちゃえ」というのは一理あるのかもしれない。
6、調剤薬局にヤマト運輸やアマゾンが参入する日
・薬剤の価格は政府が定めており患者から見ると差がない。どこに優位性を求めるかと言えば、立地です。
・しかし電子処方箋が導入され、医薬品のデリバリー自由化が進めば、ネット通販や運送業者が調剤業に参入してくるでしょう。
→ 典型的な(業界の)境界線の融解。
→特にこの医薬分野周辺って、閉じた世界の中でそこそこの金が回っているから、狙われやすい。
7、中国・配車アプリ運用タクシー、性暴力の温床に
・過去4年間に滴滴出行の運転手による性暴力やセクハラ事件は50件。
・故意殺人事件は2件、強姦事件は19件、強制猥褻事件は9件、まだ立件されていないセクハラ事件が15件。
・被害者は全て女性でうち7人は酩酊状態にあった。
→ 便利便利という明るい面だけでなく、こういう“新たに生まれる負の面”にもきっちり注目し議論がされることが重要。
以上。