気持ちデータの観察考察

専門はマーケティング分野とかデータ活用。生活者の暮らしはどうデータ化が進み、どう活用され、どう幸せにつながり、それにともない人の気持ちや感情や人生は、どうアップデートされるか。

【週刊】今週のマーケティングニュース 約10選【18年8月第3週目(8/13~)】 (ビジネスニュース・まとめ・おすすめ)

18年8月13日~08月19日週のトピックス

専門はマーケティング系だが、ビジネスモデル・経営判断・テクノロジー・データドリブンなども。
それらの分野で「これは今後重要になってきそうだな」というニュースを毎週10選以内に絞り、背景と感想を整理しておく。

今週は7点。重要だなと思う順に、記事引用→感想で構成。

 

1、TikTok 運営の中国企業、企業価値「8兆円」でウーバーを突破か

https://forbesjapan.com/articles/detail/22532

・企業価値は700億ドルから750億ドル(約8.3兆円)を見込む。
・動画アプリ「Tik Tok」やニュースアプリ「今日頭条(Jinri Toutiao)」、Tik Tokの中国国内版「抖音(ドウイン)」で知られる同社。

10代の 「TikTok」認知率は7割越え/YouTube広告への印象は

https://markezine.jp/article/detail/28911

・10代に限定すると、YouTube(88.3%)、ツイキャス(73.6%)、Tik Tok(71.5%)、LINE LIVE(69.5%)、MixChannel(62.0%)。

→急浮上のTikTok。ここからぐんぐん注目あがりそう。8兆円は異常だけど。

→「アプリ滞在時間」が異様に高いそうで、それは商品価値の高さに繋がる。

実際最近使ってたんだけど、UIが良いのと動画にリズムがあるせいか依存症が出てきてずっと見ちゃう。時間があまってる地方の10代なんて見続けちゃうだろうな。

2、オリエンタルランド社長「ファストパスのデジタル化」を検討

https://mainichi.jp/articles/20180818/k00/00m/020/157000c

・「ファストパス」のデジタル化を検討する。情報技術(IT)を活用して待ち時間を短縮し、来園者の満足度を高めたい考えだ。

・現在のファストパスは紙製で、来園者はいったんアトラクションまで移動して取得する必要がある。これを園内のどこからでもスマートフォンなどを通じて取得できる仕組みにする。 

 →早くやればいい。やらない理由がないものな。

3、キリンが“1万5000人待ち”の 「月額制ビール」 を始めたワケ

https://trend.nikkeibp.co.jp/atcl/contents/feature/00055/00001/

・月額6900円で自宅用のビールサーバーを借りられるサービスだ。
・毎月ビールサーバー向けの「一番搾りプレミアム」(1リットルペットボトル×4本)が、工場から自宅に直送される仕組み。 

→ジャンルの垣根なく広がってきているサブスクリプション戦略。この“広がり”を網羅的に整理してくれてるサイトとかあると助かるな。

→サブスクリプションって決して目新しいビジネスモデルではないんだけど、WEBとスマホの発展で過去にはやりにくかった方法がとれるようになってきたのが大きい。意外と2020年代もこのサブスクリプションプランの発想力の有り無しが、ビジネスを左右する要素もでてきそう。

→当記事の「ビールの月額制」も斬新。この発想には「メーカーが、流通抜きで直販するビジネスモデルの可能性」も模索されている。

→このようにサブスクリプション周辺には「①プラットフォーマーがメーカーを集約する流れ」と「②メーカーがプラットフォーマーに挑戦する流れ」の、両方の挑戦が並行で模索されているように感じてるんだけど、絵にしないとわかりにくいので今度してみます。


4、西友を買収 するのはどこか、「ドンキ」か「アマゾン」か。

https://diamond.jp/articles/-/177598

・老朽の不採算店も多い西友をまるごと買収することは荷が重い。
・実際、事業説明会の質疑応答でも「優良店舗だけ切り売りした場合ならば魅力があるのか」という質問が出て
・大原社長が「そんなおいしい話があればぜひご仲介いただきたい」。
・もしアマゾンが日本でも本格的にアマゾンフレッシュを展開するとしたら大型スーパーを買収するのが近道。
・スーパーの店舗が「その地域の宅配のための倉庫の役割」 を果たせることにある。
・その際、都心の繁華街にある店舗は要らない。必要なのは消費者が実際に暮らしている住宅地の店舗である。

 →土地も店舗も持ってないネット企業と比べちゃうと、大型店舗って事業が傾きだすと固定資産がでかすぎて赤字垂れ流す原因になる不便な存在に見えるんだが、かといって容易に手を出せないからこそ参入障壁にもなり得てる。

→その「全国中にリアル店舗がある」ということの“副産物”として、「日本中に倉庫の役割としても機能する」という現象ってほかにもある。

→古くはATMの設置もそうだったし、ヨドバシカメラがネット販売を強化している発想の根底もこの店舗倉庫活用だ。最近だと、個人宅配ロッカーをすべてのマンションにつけるにはまだ時間がかかるため、「最寄りの駅前大型店舗に個人ロッカーを持ってもらおう」というビジネスも始まっている。

 

5、「Echo Spot」で料理下手を克服できるか? クックパッドスキルを試してみた

https://www.businessinsider.jp/post-173373

・EchoSpotは日本発売する唯一の 「画面付きスマートスピーカー」。
・画面+読み上げで料理の手順がわかるため、料理初心者でも一品が作れる。
・ただしスキルを使うとタイマー機能を使えない。

→スマートスピーカーに「画面がつきはじめる」のはごく妥当な流れだと思うが、そうなるとますますスマホに近づいてきている気がする。スマホにスマートスピーカーの機能を搭載してくれれば、スマートスピーカーを買わなくても「スマホがあれば解決」できるはず。

→Amazonにはスマホがないので、スマートスピーカー戦略をとるのは当然。その流れに乗る必要はないはずだ。(スマホも、販売数の“伸び”がシュリンクしてきている今、違うガジッドが登場するほうが企業は助かるのかもしれないけれど)

 

6、パナとNECが激突、空港 「顔認証」ゲートの戦い

 

・5社が参加する熾烈な入札でパナソニックが落札。18年時点で計134台、総額約16億円分の受注。
・パナソニックに鼻を明かされたのが顔認証世界一を標榜するNEC。東京五輪では会場への入退場用に顔認証システムの採用が決まっている。
・日本の法務省も空港の顔認証ゲートで取得したデータの扱いについて慎重に議論を重ねた。
・保存することも検討したというが「データが漏洩した際のリスクも鑑み、顔の認証が完了した段階でデータを消去することにした。

→「顔認証」は、カードなど何も出さないで個人認証してくれる便利な方法なので活用は進む。空港や東京五輪というシンボリックな場所での一次活用がまず無事に進めば広がっていくだろう。

→こういう分野のニュースでは必ず個人情報の問題が大きく取り上げられるが、問題は「悪用を防げるかどうか」だけであって、一流企業が保有するのはバンバン保有して二次利用、3次利用に発展させてくれたほうが、生活の利便性は上がるだろうにな。誰が気にしているのかをきちんと調べて一律でない対応策をきちんとたてないと利便性があがってこないと思う(まあイメージだと高齢者の問題と思うが)

 

7、ケーススタディ:大塚家具 転落の主要因は何か?

→今週は、大塚家具の「下方修正赤字」が大きく取り上げられた週でした。

→久美子社長がいかにボンクラだったかとたくさんの人が叩いているが、私は比較的同情的。誰が経営に就いても、非常に難しい舵取りを有するタイミングだったよなと思う。君ならやれましたかと言われたら、やれない。今の時代で「高級家具販売をあの規模感の収益構造で維持もしくは発展させる」というのは不可能ではないか。

時代に合わせて無くなっていく事業モデルというのは必ず存在するので(ちょんまげ結い・鉄砲大量生産工場など)、あとはそこに「どうあらがうか」だけなのだ。

 

以上、18年8月13日週でした。