気持ちデータの観察考察

専門はマーケティング分野とかデータ活用。生活者の暮らしはどうデータ化が進み、どう活用され、どう幸せにつながり、それにともない人の気持ちや感情や人生は、どうアップデートされるか。

【週刊】今週のマーケティングニュース 約10選【18年8月第5週目(8/27~)】  (ビジネスニュース・まとめ・おすすめ)

18年8月第5週目(8/27~9/2週)のマーケティング系ビジネスニュース

専門はマーケティング系だが、ビジネスモデル・経営判断・テクノロジー・データドリブンなども。
それらの分野で「これは今後重要になってきそうだな」というニュースを毎週10選以内に絞り、背景と感想を整理しておく。

今週は6点。重要だなと思う順に、記事引用→感想で構成。

 

1、ライザップ東証1部上場へ 財務体制整備、数年内に 札証の取引激減必至

・グループ会社は娯楽施設運営や衣料品販売など 「81社」に上る。
・東証上場に向けて、同社は「事業拡大とともにグループの管理体制も強化し、利益を生み出す体質をつくりたい」としている。

 

→新興ベンチャーから81社もグループ会社あるのすごい。

→企業サイトをみると、企業ビジョンは『「人は変われる。」を証明する。』で、強みは『商品サービスの企画力と販売力(マーケティング力)』とある。

→この強いキーコンセプトを軸にして、業種に関わらず同じ方向性でブランド変革していくライザップビジネスのパターンができつつあるようだが、それでも81社は多いな。どう“企業としての体質改善”も推進できるか、経過を見るのは楽しみ。

2、信用経済先進国中国に学ぶ シェアサービス。「セサミクレジット」とは

・中国の信用経済の根底は 「セサミクレジット」という個人の信用状況を示す指数。スコアが低いと結婚相談所も使えない。
・上海で乗ったDiDiのタクシーで信用経済を見た。サービスがよく水が用意してあったり日本のタクシーよりよかった。
・中国で信用経済が発達したのは 国民同士が信用しあっていないから。電子決済が発達したのもリアルマネーを信じていないから。そこが日本とは違う。
・日本は中国とは違うスコアの作り方を考えないといけない。中国のセサミクレジットは 減点方式だが 日本では加点方式が合う。

 

 

→この個人に付与する「信頼スコア」の概念は、ここから日本でも注目が高まるかもなので注目。

→金融機関での与信などに信頼度の考え方は従来からあるが、より業界横断的な開かれた展開に使える“個人スコア”が中国では活用されはじめている。ここもまたアリババが握っている。
→シェアリングやフィンテックといった新興分野への親和性が高く、こういった分野が一層活況になるフェイズがくると、必然的にセサミクレジットの概念も注目されそう。

→でもこれって「個人の格付け」みたいなスコアが、企業内でこっそり運用されるのではなく、個人にも可視化された形で流通するスコアになるのだとすると、ちょっと画期的な感じがする。ほかに似たものがあるだろうか。ゴールドカードとかか?(古いイメージ…)

→広く横断的に使えたらそりゃあ便利だろうが、そうなるとまたどこのプラットフォーマが握るかと勢力争いも起こりそう。でもビッグデータ・パーソナルデータ・情報銀行・シェアリングといったものの活用先として、登場はしてくる概念だろう。つつましやかな日本人文化に向いているかはわからんが。

3、動画は見るから撮る時代に。ムービーネイティブ世代に向けたマーケティング術

・ストーリーズとTik Tokの2つに共通しているのは 「安心感の担保」。
・これにより元来は動画撮影に消極的だった女性たちの間に 動画を撮る文化が根付き、利用者が急増。
・今後、それに続く新しいトレンドとなりそうなのが、「動画を検索する」行為です。
・見ることはもちろん、撮ることも抵抗少なく、さらに動画で検索をするなど、動画を当たり前に使いこなす「ムービーネイティブ世代」なのです。

 

→くるぞくるぞと言われながら、まさに2018年は完全に一般化浸透が進んだ感のある動画アプリ分野。特にTikTokの追い上げに勢いを感じる。日本人にはまった理由を整理しておきたいので、また別途まとめる。

→「ムービーネイティブ世代」というのは、たしかにそうだなと肌でも感じていて、動画のアップにあれだけ抵抗感がないなんて信じられないので、各社きちんとこの世代の価値観を早めに分析して理解しておくとよさそう。前世代との断絶感さえ感じる。

4、「ユニクロIQ」という新体験。店で買うからモバイルで買うへ

・テキストや音声による 「チャットショッピング」という新しい買い方 を広げていく。

・チャットボットの草創期は遊び感覚だったが実用化の段階に。いち早くカスタマーセンターとショッピング機能を融合していく。

 

→これは既定路線の変化の流れ。「メールからチャットへ、チャットから音声へ」という簡易化の流れに、ユニクロが、フロンティアとして最前線に飛び込んだという印象。先行優位か後攻優位か。

→“自宅のスマートスピーカー”というプラットフォーム争奪戦がじわじわ起こっている中、自社オウンドならではの使い勝手を実現して、“買い物の選択検討時のおすすめ”と“カスタマーセンター機能である相談窓口”を、どうつなぎどう効率化させるかがポイント。

→カスタマーセンターって、本来は極力稼働させないのが王道だと思うので、それを“逆に顧客接点機会増/顧客のブランド体験といった武器に変化していけるか”みたいな戦いなのかなと感じる。

5、米ウーバー「自動車より自転車に注力へ」CEOが表明

・コスロシャヒCEOは、自転車やキックボードなど1人で移動できる乗り物の方が都市内の移動には適していると述べた。

・「利益減少の可能性があるとしても、電動キックボードと自転車事業に重点を置く計画だ」と明かした。

 

→なんか、西海岸なりの課題への対応なんだろうと推察してる。ふつうに考えると、自転車はそんな大きいビジネスにならないという固定観念があるから、この情報だけだと信じられないし理解できないな。「クルマだけじゃなくて、そっちもおさえておく」くらいなら意味はわかるけど。

 

6、ゾゾが挑む女性下着、「ゾゾブラ」への期待と不安

 ・同社が サイズを起点にPBを始める と発表したときから、下着への参入は必然と感じていた。そしてついに「ゾゾブラ」が誕生する。
・発表後すぐに開発の採用活動開始。8月半ばまでの2週間限定で募集を実施した。

 

→これも、今週のトピックスで書いたライザップと同類だと理解してるんだけど、『サイズを起点に』という強いキーコンセプトにひっぱられてブランドが成長加速しつつあって、成功体験が積みあがってくるとあとは順に「サイズ悩み系のカテゴリーを順番に準備していく」というパターンに自信を持って臨めばいい。きっとこういうのが“強い戦略”というんだろう。

→まだ大ヒットしてるわけではないから、実際はここからだけど。 

 

以上、今週のニュースまとめでした。