【週刊】今週のマーケティングニュース 約10選【18年8月第4週目(8/20~)】 (ビジネスニュース・まとめ・おすすめ)
18年8月第4週目(8/20~8/26週)のマーケティング系ニュース
専門はマーケティング系だが、ビジネスモデル・経営判断・テクノロジー・データドリブンなども。
それらの分野で「これは今後重要になってきそうだな」というニュースを毎週10選以内に絞り、背景と感想を整理しておく。
今週は7点。重要だなと思う順に、記事引用→感想で構成。
- 18年8月第4週目(8/20~8/26週)のマーケティング系ニュース
- 1、携帯料金4割下げ可能と菅氏、大手各社の株価が軒並み急落
- 2、CookpadTVが三菱商事から40億円調達、共同で新事業も
- 3、Netflixが国内料金値上げ、最大350円
- 4、銀行がLINEペイに到底勝てない根本理由
- 5、決済電子化で税優遇を政府検討。QRなど導入促す
- 6、訪日外国人2,000万人過去最速 「観光は地方創生、成長戦略の柱」官房長官が意欲
1、携帯料金4割下げ可能と菅氏、大手各社の株価が軒並み急落
・「19年10月の消費増税を前に、家計負担を減らせる分野としてモバイル料がターゲットに」。
・総裁選前の政治関心が高まる時期。ただ、政府に値下げ規制の行政権限はないとも指摘。
関連記事>
・そもそも日本の携帯料金は本当に高いのだろうか。
・日本の大手キャリアの品質は世界的に見ても高い水準にある。
・ドイツの高速鉄道ICEでは、都市部を外れるとすぐに3Gよりも遅い2Gに落ちてしまう。
・このように品質の高さを考えれば、日本の携帯料金は決して高くはないと筆者は考えている。
→大きな家計支出であることは事実。通信料を減額できれば、消費税増税時の心理的緩和になるはずという政府の狙いはわかりやすい。
→対して関連記事では「高い品質維持の問題」など、本当に携帯料金の値下げが“国益のために正しいか”が問われている。
→通信分野の強化は「国際的なインフラ競争力」でもあり、延長線上ではIoTや5Gや自動運転など新技術の源泉にもつながる。
→消費者から見たら「おさえたい出費である」のは賛成だけど、そこを削ることで「中期的な国土発展のインフラ整備投資」を削ることにつながりはしないか。
→正解はわかりませんが、目先だけになってないといいけれどと思った。
2、CookpadTVが三菱商事から40億円調達、共同で新事業も
・中でも cookpadstoreTV は全国のスーパーマーケットからの要望が高く、独自開発した「店頭サイネージ端末」の設置台数は1万台突破予定。
・配信している料理動画の週間閲覧者数も350万人を超えたという。
・今回タッグを組む三菱商事は、原料調達から小売まで食のバリューチェーンに事業アセットを持ち、グローバルで食品関連の事業を展開。
・資本提携を通じ三菱商事のネットワークやノウハウを活用し、cookpad storeTVの成長スピード加速が狙い。海外進出も視野に。
関連記事(1)>
・生鮮食品を扱うネットスーパー事業と、料理の作り方を紹介するレシピ動画配信サービス(クラシル)を連動させる方針を明らかにした。
・「レシピの食材をネットで購入できるようにしたい」と述べた。
関連記事(2)>
・どのジャンルのライブ配信でも言えるが「プラットフォームよりもコンテンツよりも人」の時代であること。
・ゆうこすは、今後のライブコマースの課題として「販売する側の熱量をどれだけ届けられるのか」と提唱。
→今後注目のデジタルサイネージ分野の中でも「店頭サイネージ」と言われる“小売店頭におかれる販促動画”に、クックパッドは戦略的な展開中。
→ネットで蓄積された「レシピデータという財産」を、“より買い場に近いところで”実際のアクション向けに転用するという発想で、展開ビジネスとして良いアイデアの感じする。
→“端末開発から抱える”ことで、売り切りではなく「そこで何を放映するか」という継続的な関係性からビジネスを産む部分もおさえておく考えだろう。さりげなく、リアルの全国店頭にも新たにプラットフォームを置くようなイメージ。
→一方で、<関連記事1>のヤフーのように、ネットスーパー側でも生鮮分野への挑戦が強化中。「生鮮はリアル購買」という文化がまだ強いが、世代が変わりデジタルネイティブが家庭を持ちだすことで、ジワジワとは生鮮のネット販売分野も比率を高めてくる可能性は高い。
→またもう一方で、「ライブコマース」はここ数年盛りあがりそうな様相を見せたが、いまいち広がりきらないとの報道。店頭小売で例えると、ライブコマースは“実演販売”の分野。コミュニケーションの職人芸で衝動買いを喚起させる仕組み。
→まとめると、“非計画購買や衝動購買の要素があるモノ” については、「買う直前の“今日は何にしようかな”というタイミングで喚起を狙う」だったり「おいしそう!と感じた瞬間に、パッと購入できる仕組みを準備する」という勝ちパターンがあり、
つまり店頭サイネージとライブコマースは、根っこの部分で「目的に類似性がある」といえる。今後、互いを補い合うソリューションがでてくる気もするので、注目しておきたい。
3、Netflixが国内料金値上げ、最大350円
・15年に日本市場に参入以来、値上げは今回が初めて。しかし海外では五月雨に値上げしてきた。
・各国毎の契約者数やその伸びを公表していないが「日本国内の契約者数の伸びは加速している」。
・「CM動画導入の検討」は誤解。しかし「レコメンドを強化」はその通り。
・Netflixのビジネスモデルは「コンテンツで顧客の興味をつなげ契約をできる限り長期にする」ことにある。
・見るものがなくなったと思われると解約につながるので、こうしたレコメンデーション系機能の導入に積極的なのである。
→サブスクリプションビジネスにとって「レコメンド機能の強化は生命線」であることがよくわかる良記事。
→「コンテンツ数」がまず売りだけど、いくら数万コンテンツあってもそのコンテンツすべてをユーザーが把握できる量ではないので、その人好みの楽しめるコンテンツが本当は内在しているのに出会えないまま「最近見るものがなくなった」と離脱するのが、マーケティングの一番の失敗。これを抑止するために機能強化を推進している。
4、銀行がLINEペイに到底勝てない根本理由
・アリペイも決済サービスをほぼ無料で提供。
・アリペイはそこから得られる取引履歴を自社でのターゲット広告、または他社に販売し稼ぐビジネスモデル。
・つまり 決済サービスは本業ではなく、そこで儲ける必要がないため無料にできる。
→「本業で儲けた収益でのセカンドビジネスなので、決済サービスで儲ける必要がないため無料にできるので強い」というまとめ方は構造としては間違っていないが、一会社員としての目線からすると、「そんなに単純な話しでもないんだけどね」とも思う。
→各企業が大きな戦略ビジョンを描く中で「稼ぐ場所の棲み分けがきちんと設定され、それぞれの事業のビジネス目的も明確に描けている会社は強い」という表現のほうが正しい。
→ほんとに全体戦略書くのが相当上手な会社じゃないと、「ここで稼がなくてもよいという事業を立ち上げる」のはなかなか難しい。事業部が立ち上がると、どうしてもマネジメントが部門採算制になって、結局どのサービスもなんだかんだ稼がないといけない計画が立てられがちで、中途半端な方針しか打ち出せなくなり数年で撤退みたいなことが起こる。
→全体戦略を描き、その判断が打てる上位層が重要だと感じる。
5、決済電子化で税優遇を政府検討。QRなど導入促す
・中小の小売店には決済額に応じて 時限的な税制優遇を検討する。
・世界的な決済手段の標準となりつつある キャッシュレスで、日本は出遅れている。
・政府は、消費者の利便性や企業の生産性向上につなげる目的。
→私はキャッシュレス推進賛成派なのでどんどんやってみればいいという記事だけど、参入がバカみたいに乱立してきてるから交通整理は必要だろうな。
→あんまり各社サービスが分散しちゃって「統一利用ができないと不便」で、それだとアクティブユーザー数がきっと伸び悩むので、“サービスをある程度の数に収斂する”のも政府の仕事の気がする。
→昔だったら参入するにも投資が相当必要なので大企業しかエントリーできなかったものだけど、IT技術によって参入障壁が低くなっている側面もうかがえる。
6、訪日外国人2,000万人過去最速 「観光は地方創生、成長戦略の柱」官房長官が意欲
・2020年に訪日客4,000万人の目標達成に向け、国立公園の整備や魅力発信などに取り組む考えを示した。
→日本には約1億2000万人の人口がいて、史上最大の4,000万人の訪日外国人の規模感になると、「在住国民の約33%の割合がインバウンド客」となる。
→この比率はなかなかすごいことだと思うが、「国際的な観光立国」に比べたらまだまだ大したことない比率なのだろうか。全然感覚がないので、ちょっと調べてみよう。
以上、今週のニュースまとめでした。