気持ちデータの観察考察

専門はマーケティング分野とかデータ活用。生活者の暮らしはどうデータ化が進み、どう活用され、どう幸せにつながり、それにともない人の気持ちや感情や人生は、どうアップデートされるか。

今週注目したマーケティングニュース 約7選【18年9月第4週目(9/17~9/23)】 (ビジネスニュース・まとめ・おすすめ)

専門はマーケティング系だが、ビジネスモデル・経営判断・テクノロジー・データドリブンなども。
それらの分野で「これは今後重要になってきそうだな」というニュースを毎週10選以内に絞り、背景と感想を整理しておく。

今週は7点。重要だなと思う順に、記事引用→感想で構成。

 

1、メルカリの金融子会社が描く「日本のキャッシュレス社会」の未来

 ・今やろうとしていることは単純なEコマースと金融の枠を超える話し。

・ネットの中のコマースや決済は、スマホやデジタルに閉じないでよりリアルな店舗で、リテールや金融サービスが広がっていきます。

・つまり、決済だけで収益を上げなくても、エコシステムが広がっていけば、とても面白いことができると思っています。

・アリババが生鮮スーパーをやっているように、OMO(オンライン・マージズ・オフライン)というインターネットとリアル店舗が融合する世界になっていくでしょう。

・人々の行動や購買のデータが取れるのはすごく便利です。狭い商圏で動く人もいれば、広い活動範囲の人もいて、それがさまざま見えるので、その人に適した金融サービスや決済が提供できると思いますね。

・ただ、単純にお金を借りるためだけのスコアリングはイメージしていません。

・信用を積み重ねることで 前金なしで色々なサービスが使えるとか、良い行為をしているからある地域で電車乗り放題になるとか。ふるさと納税はそういう考えを一部で取り入れているがそんな価値体験を生み出したい。

 

→O2OとOMOってそんなに違わない概念というか、ここ数年でいうとOMOって呼び始めている概念をO2Oという言葉に包含して議論してきたなとは思うんだが、“これはOMOです”と言われてみると“言い得て妙”なので、流行る気がする。

→タイムマシン経営として、主に中国を手本としたキャッシュレス経済やOMO決済の加速というのは既定路線だが、シェアがモノを言う分野になりそうなので、ここから戦国時代になるが、メルペイはその一角。

→ただ、ぼくが40代男性だからだと思うが、“メルカリを母体としたメルペイ”と言われても実は愛着と利便性がなくて、もう少し生活に浸透した母体のほうが(どちらか選べと言われたらそりゃLINEのほうが)選びやすいかなーと感じちゃうが、これは世代の問題なのだろう。

 

2、OrigamiPayが総額66億円のシリーズC調達、銀聯とも提携

・同日発表された中で最も注目を集めそうなのが、銀聯国際(ユニオン・ペイ)との連携だ。

・ユニオン・ペイとは、中国ではアリペイやWeChat Payに次ぐ規模だが、日本を含むアジア地域ではかなり普及している決済システム。

 

→資金体力のあるプラットフォーマー企業たちの決済参入に板ばさみされながら、よくポジショニングしている。スマートさを感じるブランディングで、差別化要素もある。アジア三番手の銀聯を、きちんとこの早めのタイミングでおさえにいけてるのも優秀。

→創業者ってどういう人だったっけと調べたら、リーマンブラザーズでM&Aアドバイザー経験者の康井義貴氏。1985年生まれだからまだ30代前半と若い。(下記記事参照)

康井義貴 Yoshiki Yasui とは|GQ JAPAN

 

3、グーグルとファーストリテイリングが協業 全社デジタル化加速

japan.zdnet.com

・AIや機械学習などの先端技術の業務活用に向けて協業すると発表。

・柳井正氏は「製品の企画、製造、流通、販売と顧客の声の全てをデジタルでつなぐことで 情報製造小売企業の実現を加速させる」と語った。

・ファストリとグーグルは、AIによる画像認識を活用した着こなしのトレンド分析 や 需要予測 を始めたという。

・グーグルが開発したチャットボットを土台とする買い物支援サービス 「ユニクロIQ」も提供。

 

→何をするのかの具体性はともかく、グローバル企業としてのユニクロが、グローバル企業のGoogleと組んだという話し。相当いろんな会社から類似の提案を受けてはいただろう(情報収集はしたであろう)が、パートナーに選んだのはGoogleという意味だ。

→日本初の大企業であるユニクロあたりがGoogleと組まれちゃうと、日本初のAI技術からみると、さみしいニュースではある。画像認識…、チャットボット…、需要予測…。

→チャットボットベースの「ユニクロIQ」は、実践活用がはじまっているはずだが、評判はどうなのかな。気になる。

 

4、ルノー・日産・三菱連合がグーグルと提携した深すぎる意味

diamond.jp

・コネクテッドカーのOSとしてAndroidを搭載することを中心とした技術提携をグーグルと結んだことを発表。

・次世代の日産のコネクテッドカーには、グーグルマップが搭載され、アシスタントが音声で情報検索を行い、

・グーグルプレイストアの様々なアプリが使えるように。セキュリティ技術もグーグルから提供される。

 

→前述のユニクロに続き、ここにもGoogle。

→近未来の自動運転EVは“人を乗せる移動情報端末になる”というのはもう前提として、このコネクテッドカービジョンの“中枢にあたるOS”は、自動車メーカー各社、IT企業各社、どこも研究開発を進めてきたわけだが、ルノー日産は“Googleとのパートナー化戦略に舵をきった”という分岐点のニュース。

→Googleは着手に抜け目がないなーと思いつつも、肥大化すぎてちょっと怖くもある。実質、30年以上も世界のトップに立ち続けられた企業なんてないが、はたして2050年もGoogleはトップランナーなのだろうか。

 

5、アマゾンがレジなし店舗最大3000店開設計画、21年までに

www.bloomberg.co.jp

・ただ、セブンイレブンのように新鮮な総菜や種類が限られた食料品を販売するコンビニか、英国に本拠を置く「プレタ・マンジェ」のように急いでいる人が短時間で食事を取れる店舗がいいのか、「最も良い店舗の形態」をまだ実験している段階だ。

 

→2021年って、たった3年後だけど、3,000店・・・。

→小規模なコンビニだったらまだあれだけど、「プレタ・マンジェ」というイートインショップの英国での店舗数を調べたら、300店舗程度だそうだ。

→アメリカ国内のセブンイレブンの店舗数が9000店舗強。スーパーマーケット規模だと米国ナンバー1のクローガーで約3,800店舗。ウォルマートだと約5,300店舗。

→AmazonGOがいまテストケース3店程度しかなくて、ここからたった3年で3,000店舗は尋常ではないと思うが、Amazonだったらやりかねないかもな、という気がするだけでも恐ろしい。

 

6、デニーズ、食事後レジに並ばず帰れる「デジタル注文決済」

www.itmedia.co.jp・平日ランチの混雑解消へ
・テーブル上のQRをスマホで読み取り、料理メニューサイトに遷移。
・注文確定すると決済画面でクレカ決済かキャリア決済(3キャリとも)で支払える。
・Okage、セイコーソリューションズが技術協力。

 

→「まずスモールでもやってみる」というタイプの良い取り組みであこがれる。なにもかもがIT系企業・プラットフォーマー企業からの提案に飲み込まれていくだけでなく、自社業界に特化した形で自分たちなりの最適化をやっていこうという動きは大切だと思う。

→きっと「もっとこうなってると便利」というのがたくさん出てくると思うので、そこからが勝負になりそう。

→ユーザーからすると、たしかに各チェーン各チェーンにいくたびに違うアプリを持ってないといけないとなると不便なんだけど、ポジティブにみるとロイヤリティの源泉ともいえる。

 

7、世界初の月旅行客はZOZOTOWNの前澤氏。SpaceXイーロン・マスク氏が発表

japanese.engadget.com

・SpaceX本社で会見を開き、巨大宇宙船BFRを使った世界初の民間月観光旅行の乗客第1号として日本の前澤友作氏(スタートトゥデイ社長)と契約したことを発表。
・発表会見では、まずイーロン・マスクCEOがBFRの改良点についての説明を行い、つづいて乗客第1号として前澤氏を招き入れました。

 

→ おまけの記事。

→“ITバブル金持ち社長”風な目立ちたがり屋の面はにじみでているものの、ここまでいくと、歴史に名を刻むことになるし、ものすごいことだ。ほんと驚いた。
→イーロン・マスクと横に並んで記者会見してるだけでもものすごい。

 

以上。