気持ちデータの観察考察

専門はマーケティング分野とかデータ活用。生活者の暮らしはどうデータ化が進み、どう活用され、どう幸せにつながり、それにともない人の気持ちや感情や人生は、どうアップデートされるか。

amazon「alexa」が気になる。〜在宅時間のプラットフォーム戦争〜

 

2017年1月アメリカで開催されたCESは、amazonのAlexaの独壇場だったという記事がでている。

amazonはここ半年、IT技術をふんだんに注ぎ込んだリアル店舗「amazonGO」や、ネットとキッチンの距離を限りなくショートカットする「Amazon Dash Button」など、『ネット空間+リアル空間』のビジネスモデル展開が目についたが、どうやらホームIoTの分野でもトップランナーのポジションをおさえたようだ。

スマートフォン」というプラットフォームがおさえた生活者情報基盤はとてつもなく広く大きな存在でしばらく不動に思えたが、よくよく考えてみれば、スマホを触ってる時間なんて生活時間全体のある一部でしかないのはたしかだ。手にはもってはいるが、開いてはいない。

そこで「在宅」が登場する。

家にいる時間をまるごとプラットフォームとしておさえるアイテムが「ホームIoT」であり、音声認識のAlexaだ。家に居てなにをやっているのか、在宅時の行動や生活スタイルの大部分をこの新たなプラットフォームを通じデータがおさえられれば、あらゆる企業が生活者に提案できることはまた格段にひろがってくる。在宅環境のなかにスマホも手元にはあるものの、主従関係を「スマホ>普段の生活」というこれまでの構図ではなく、「スマホ<音声認識(普段の生活)」という構図に切り替える。プラットフォームの逆転。

どちらがより広い範囲をおさえ、相手をそのパーツの一部として活用するか。こういったプラットフォーム戦争のことを私は「お皿の下のお皿」と命名して呼んでいるが、これは、せっかく置いたお皿の上に料理をのせて食べようとしたのに、いつのまにかその下にお皿が差し込まれてしまい、そのお皿さえも料理の一部のようにされてしまっているような現象。下へ、下へ、下へ。

在宅時間という貴重な空間におけるプラットフォームについても、その関係性がきりかわろうとしてる分岐点を、2017年が迎えている。