気持ちデータの観察考察

専門はマーケティング分野とかデータ活用。生活者の暮らしはどうデータ化が進み、どう活用され、どう幸せにつながり、それにともない人の気持ちや感情や人生は、どうアップデートされるか。

「モバイルオーダーの普及」が気になる。

アメリカの外食チェーンを中心に「スマホアプリを使ったモバイルオーダー」が流行っているという。簡単にいうと「店舗に行く前にアプリで事前決済して、店では商品を受け取るだけ」。ググってみると、スターバックス、シェイクシャックの成功例がたくさん挙げられている。そういわれると、アマゾンGOもレジ・レスで同じ文脈だ。気になる気になる。

 ①スタバとシェイクシャックのアプリの中身は。

スターバックスとシェイクシャックの成功事例は、それぞれ下記の報道サイトに詳しい。スタバなんて、店舗売上のなんと21%がスマホアプリからの注文だという。すごい。

米スタバを急成長させた「行列解消策」は日本でも流行るか | 今週もナナメに考えた 鈴木貴博 | ダイヤモンド・オンライン

【シェイクシャック】、モバイルオーダーを全店で展開!日本でも地殻変動が起こりえる?

具体的に数字を抜き出すと、全米のスターバックスの店舗売上の21%がスマホアプリからの注文となっていて、証券会社のアナリストの分析によれば、近年スタバの売上が過去5年間で最大の伸びを示しているのは、このスマホアプリ経由の売上増が貢献しているという。

引用元:同上

アメリカのスタバは行列がひどいらしい。日本もそうだと思うが、それどころではないようだ(日本人の店員は、真面目で勤勉で早いんだろうな)。不便はイノベーション母である。不便だから改善策が生まれる。

 

②東京のモバイルオーダーの現状。

さて、視点を東京にうつそう。東京で暮らしている私の最近の決済方法状況を、この文脈にあわせて3ステップで整理してみよう。2016年版だ。

  1. 「電子マネー」…まず、電子マネーの発展で、財布からお金をだす機会がめっきり減った。電車移動、コンビニ、タクシー移動の3つの小銭用途が私は多いのだが、これらはすべて電子マネー。ビューカードのオートチャージ契約(残高が減ったら自動的に補充)にしてあり、しかも高どまりする設定(5000円を切ったら10000円に補充)なのでめったに自分の手でチャージすることもないから便利。
  2. 「ECサイト」…次に、買い物の中心がリアル店舗からECサイトに移っている。書籍はほぼKindleだし、雑誌はdマガジン。飲み物などルーティンの消耗品はamazonの定期便で買ってる。
  3. 「モバイルオーダー」…ライブチケットはweb先行抽選。出張や旅行の予約は一休。東海道新幹線はJRのweb予約を契約。レストラン予約も一休でWeb決済。予約の空き状況を直接電話で確認することも減った。

ここでいう「3」が米スタバのモバイルオーダーに近い。「1」だとタッチするカードが必要であるが(apple pay が2016年からリリースされたが私はまだ未搭載)、この「それ専用のカードを持ってきて何かにタッチする」という行為が前時代的と言える(充分便利だが)。

 

③「本人確認方法」の近未来について。

金の支払いはwebで済ませてある。ではあとは『どうやって現物と交換するか』だ。これがオンラインからオフラインのモデルにとってはいつも、大切な課題ポイントになる。

まずアメリカのスターバックスで実際にアプリサービスはどうなってるのか調べてみたら、ありました実物利用のレポート。下記のサイトには「自分の名前と注文した商品名を言えばOK」とありました。

米国EC・小売HOT NEWS【8】〜STARBUCKSオムニチャネル体験レポート〜|ハンズラボブログ|ハンズラボ株式会社

一応、本人確認があるかもと思い、オーダーした画面をスマホで表示しながら、店員さんに声をかけると、特にチェックはされず普通に渡してくれました。

①で挙げたサイト情報だと、下記の表現もありました。真偽はわかりません。

私はそんな列を横目に、コーヒーを出すカウンターに直接足を向ける。すると私のオーダーしたカフェラテがちょうどでき上がってくるところだった。どうやらスマホのGPS機能によって、私が店内に到達するタイミングまでわかっているらしいのだ。

まあ、アプリ端末画面を見せれば本人確認できる番号やパスワードがあったりすればいいんだよね。

そういえばウーバーの原理もこのアプリと同様で、「捕まらないタクシー→事前予約→GPS→到着/利用→事前支払い済みだから降りるだけ」の便利さだった。

レストランや旅館は、もともとのビジネスモデルに「受付」があるので、そこで名前を告げる。

だけど、ライブや映画館や飛行機だと、入場の手前のフェイズで、コンビニや専用のチケット発券機で自分でチケット発行をしておく。

これらもいずれ、より「パーソナルな認証方法」を実現し、ますます「本人確認を簡易に」することでしょう。

市場にどんどんこうした事前予約制度が進み、行列に並ぶという無駄な時間が人生からなくなりますように。次はどの業種の、どういう商品がこの便利さに挑戦するか?

テクノロジーの発達とイノベーティブなアイデアに期待します。