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「キュレーションサイト問題」のこと。①

2016年末、DeNAを発端とするいわゆる「キュレーションサイト問題」が注目された。でもそもそも「キュレーション」ってどういう意味だったっけ。気になる気になる。考察しておきたい。

①キュレーションって、いつから耳にしはじめたか。

「キュレーター」や「キュレーション」という言葉は、もともと博物館や美術館の世界で使われていた言葉。それが「インターネット用語」として再定義されて広く流通しはじめたのは2010年ごろからだと思う。

もともとの語源などは、wikiに詳しい。

語感というか、耳ざわりが良い言葉だから、今回の事件でケチがつかないといいなと願う。でもちょっと野暮ったくなっちゃったかな。

佐々木俊尚が「キュレーションの時代」を出版したのが、いま調べたら2011年2月。個人的には、そのころちょうどキュレーションという言葉を耳にしはじめた感触だったから、時間感覚はそれくらいだと思う。

 

②キュレーターは、収集・編集者であり、創造主ではない(はず)。

日本の博物館・美術館にも学芸員というキュレーターがいて、展覧会を企画している。本来の「キュレーション」とは、この仕事内容に近いんだろうなと、感覚的には思い込んでいる。

では学芸員とはどんな仕事内容なのか、wikiを見てもちょっと回りくどかったので、下記のサイトから引用した。

学芸員とは、美術館や博物館で働き展示する作品・資料のお世話をする仕事です。英語では学芸員を『キューレター』と呼び、語源は『ケア(世話・配慮)』からきています。普段は学芸員室や研究室と呼ばれる場所を活動の拠点として、作品・資料の収集・保管・調査・研究などを行なったり、定期的に展覧会の企画・開催などをおこなうことが主な業務になります。文化的な作品・資料の持つ本当の価値を、美術館や博物館といった場所で、たくさんの人々に伝えていくことが最大の使命だと言えるでしょう。

http://学芸員.com

まず、そもそもとして、キュレーションという言葉は、創造主(クリエイター)ではなく、「収集者」であるということ。ここが最近のキュレーションサイトの存在をややこしくさせるポイントのひとつで、「コンテンツは自生しない」というのが、キュレーターの第一定義にしておきたい。コンテンツを自生したらそれはもう「メディア」だ。

 

③展示手法に見るキュレーターの重要性 

学芸員制度のベースにあたる博物館学では、展示手法も学問的に体系だっているようだ。

この「見せ方」によって、企画展の出来不出来は決まる。たとえば美術館の楽しみ方を、「美術館へいこう」というサイトから長文を引用してみる。

美術館の展示方法はアイディアがいっぱい
美術館になじみがないと、壁に飾ってある絵を順番に見ていくという鑑賞方法しか思い浮かばないかもしれない。しかし、実は美術館の展示には学芸員が粋を凝らしたさまざまな展示方法がある。展示された作品はもちろんのことその工夫の凝らし方を鑑賞しに行くのもまた美術館の楽しみ方のひとつである。
とくに親子づれをターゲットにしたタイプの作品展では子供に作品鑑賞をあきさせないために様々な展示法を採用しているのが興味深い。

たとえば、体験型の展示方法がある。本来は触ってはいけない作品にわざと触らせて質感を楽しませたり、展示作品と同じ材料を用意して簡単な工作を楽しんでもらうコーナーが設置されてたりする。
また、どこに作品が展示してあるかを秘密にしてパンフレットを片手に館内をくまなく探し回らないと作品が鑑賞できないというような変わった展示方法もあった。照明に工夫を凝らして、暗闇の中を進んでいくと明かりに照らされた作品に出会えるような美術館、水鏡に映した作品を楽しむ美術館もあった。作品鑑賞も楽しいが、作品展示鑑賞もまたおもしろいものである。

引用元

http://atami6onsenksktmi.net/sub/-3

また、ネット公開されている大学での講義テキストから「博物館の展示の意義」についてを引用する。

1-1. 陳列から展示へ

展示とは,単なるものの陳列ではなく,「展じて示す」ことであり,意味と目的をもってものを選び,積極的に見せる意識をもって学習者と交流(コミュニケーション)することである.展示は,見る人の興味を持たせ,感性的な刺激(感動)を与え,観察と理論的な推論をうながし,そのモノ(実物)とそれが示すコト(事象)を理解させることである.したがって,展示する学芸員がそのモノから受けた刺激(感動)が大きければ大きいほど,展示の質的内容は高くなる.

引用元

http://www.dino.or.jp/s_muse/m_material06.html

展示とは、「意味と目的をもってものを選ぶ」ことである。引用を続ける。

1-2. 展示の種類

1) 展示場所による

①屋内型展示,②屋外型展示(動物園や動植物園),③現地保存型展示(遺跡など)

2) 展示内容による
 ① 分類展示 分類ごとに展示する.
 ② 生態展示 生態をジオラマなどで展示する.
 ③ 動態展示 理工系で機器を稼動させて展示する.
 ④ 課題展示 テーマまたはその組み合わせでシナリオを作成して展示する.
 ⑥ 総合展示 いくつかの展示法を組み合わせて展示する.

3) 展示期間による
 ①常設展示と②特別(企画)展示

引用元、同上

インターネット上には、情報が大量に存在し、たどり着きたい情報に簡単にはアクセスできない状態と言える。黎明期から今日まで「検索」という手法が世界を牛耳ったが、検索だとどうしても個人による「探索的活動」が必要になる。これまでのメディアは、編集・校閲する専門家がデータ加工してくれた情報を享受していたのだが、検索は、根源的にその「情報品質選択の責任」が個人に委ねられている。ここ10数年は誰しもがそうやってネットとつきあってきたのだが、ここにきて、めんどうに思えてきたムードがある。回帰的現象。「揺り戻し」である。

「キュレーション」とは、そういう空気感のなかで、2010年代になって登場してきた概念である。と、個人的には理解しているのである。

(長くなったので、その2に分けます)